
BeforeAfter事例でご紹介した、「5.9畳の子ども部屋を兄妹2人で使う」お客様の事例。
お子さんは中学生と小学生。
「子どもが片付けられない」「子どもたちの落ち着くスペースを作ってあげたい」とお悩みでしたが、私が最初に子ども部屋を拝見したときの第一印象は「モノが少ないのに、狭く感じる」でした。
結論から言うと、その原因は「収納」ではなく「家具の配置」にありました。
今回は、長年住宅設計に携わってきた整理収納アドバイザーの視点から、「5.9畳2人の子ども部屋」がなぜ見違えるように広く、使いやすくなったのか、その「配置設計の裏側」をご紹介します。
「平等にしなければ…」の罠

部屋を見せていただいた瞬間、「きょうだい平等にスペースを分けてあげたい」という親御さんの優しいお気持ちから、部屋の真ん中に2段ベッドを配置されたんだな、ということが分かりました。
大きな空間であれば、まったく問題ないのですが、今回は5.9畳という限られた空間です。
部屋ではこんな問題が起きていました↓
●入口の真正面に大きなベッド ➡ 入った瞬間に強い「圧迫感」を感じる
●ベッドと壁の間が約110㎝ ➡ 家具を置くと「ほぼ通路」で、くつろげる空間が取れない
●共有のタンスがお兄ちゃんスペースの奥 ➡ 妹さんにとって「使いにくい動線」上の収納に
●共有のタンスの上が妹さんのぬいぐるみ置き場 ➡ お兄ちゃんはぬいぐるみが見えるけど、妹さんスペースからは見えない



そこで今回は、モノを減らして整理する片付けとはちょっと違う「景色を変える」お片付けを提案させていただきました。
【解決策①】「視線」を整理し、部屋を広く見せる
空間を広く感じさせる上で大切なのは「視線」の広がり方です。
お客様にベッドを移動しても良いか確認させていただき、今回は、一番ボリュームのある2段ベッドを部屋の奥へ移動させました。これだけでも、入口に立ったときに部屋の奥までスッと視線が通るようになり、同じ床面積でも感じる広さが全く変わります。
この視線をコントーロールするテクニックは、住宅設計でもよく使われている方法です。

右側はいずれデスクを置きたくなった場合の案。
【解決策②】使う人に合わせた「動線」と「ゾーニング」を整理
提案図を見ながら、新たに出てきたご要望がこちら↓
・妹さんスペースにお兄ちゃんが入らない動線にしたい。
・お兄ちゃんは遊びに出ることが多く、勉強もリビングでするので、ベッドで本が読めればOK
・妹さんは友達と遊べるスペースが欲しいのでちゃんとスペースを取りたい。
そして修正した案がこちら↓

それぞれの過ごし方に合わせた「動線」と「ゾーニング(区分け)」の整理を行いました。
【お兄さんスペース】
勉強はリビングでするので、デスクスペースは不要。
帰宅後は、
タンスの上にカバンを置く
➡制服を脱ぐ
➡ベッドサイドに掛ける
➡そのままベッドで一休みOK!
という流れるような動線に。

【妹さんスペース】
「友達と遊べるスペースが欲しい」というご要望に合わせ、明るい窓辺にゾーニング。
リビングにあった本棚を移動させ、点在していたモノを1ヵ所に集約して管理しやすい収納に。
床置きソファも置けるようになり、お兄ちゃんの動線と交わらない「くつろぎゾーン」を確保!


【解決策③】収納は「ワンアクション」で仕舞える仕組みに
空間が整ったら、最後は収納の仕組みづくりです。
服をタンスに仕舞うのはお子さんたちの仕事でしたが、いつも洋服がタンスの引き出しから溢れてしまっていました。

原因は、「上段を上着、下段をズボン」にしていたことでした。
人は面倒なことはやりたくないものです。
「上着とズボンを別々の段に仕舞うのが面倒だった」お兄ちゃんは、「上段に全部押し込む」ことで片付けたことにしていたのです。
そこで、1段目を「平日用(体操着・部活)」、2段目を「休日用(私服)」に変更。
引き出しを1回開けるだけの「ワンアクション」で上下の服が仕舞えるようになり、お子さんでも簡単に片付けられる仕組みが完成しました。
その晩、お子さんたちが帰ってきてからの様子を教えてくださったお客様。
『もうなんか喜んでいるんだなぁという感じ!
2人であの部屋でわちゃわちゃ遊んでて幸せでしたー!』
という嬉しいご報告。
「子どもたちの落ち着くスペースを作ってあげたい」というご要望が実現できたかな、と私もほっこりした気持ちになりました。

限られた空間を快適に使うためには、モノを捨てたり、収納のテクニックだけではなく、「視線」「動線」「ゾーニング」を整理して、ベストな配置を見つけることがポイントです。
お子さんの成長や性格に合わせて、ぜひお部屋の「景色」も意識しながら、お片付けをしてみてくださいね。
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